東禅寺へ

久しぶりの雨。ひんやりした風が流れる。
名実共にやっと秋になる。

昨日は、郡の会議で御船町に行く。
御船町は、上益城郡の中心地であった。
今でこそ、二万人足らずの町であるが
かっては行政、文教の地であった。

西南の役の古戦場である妙見坂も
この町にある。

昼休みを利用して、散歩する。
庁舎から少し矢部への道を歩くと
若宮神社があり、横の坂を歩くと
小さな人物を形取った墓石がある。
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甲斐早雲夫婦の墓」という。
小さなお墓だけに、心温まる気持ちになる。
このようなお墓に埋葬されるのもいいと思ってしまう。
甲斐宗運は、御船城の城主である。
その菩提寺がお墓から少し歩いたところにある
東禅寺という禅宗の古刹である。
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本堂は、改築されており新しいが
境内には、多くの遺跡がある。
そして、ここにも、西南の役で戦死した
熊本隊のお墓がある。
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更に、この東禅寺には、
従四位下左近衛少将兼越中守細川忠利は、寛永十八年辛巳の春、よそよりは早く咲く領地肥後国の花を見すてて、五十四万石の大名の晴れ晴れしい行列に前後を囲ませ、南より北へ歩みを運ぶ春とともに、江戸を志して参勤の途に上ろうとしているうち、はからず病にかかって、典医の方剤も功を奏せず、日に増し重くなるばかりなので、江戸へは出発日延べの飛脚が立つ。
森鴎外の「阿部一族」の書き出しである。
この阿部一族の墓もある。

本堂の横の墓地に釈尊を中心に
それぞれ異なった表情の羅漢様が
おられた。
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秋の日に何を煩うか、世間虚仮 唯佛是眞と、宣うが如くの姿である。
by shin0710s | 2005-10-05 21:09 | | Trackback

ダックス4匹の愛犬と猫1匹の動物たち。周囲約7kmの世界で見聞したことを日記風に書いています。


by shin0710s