なかよしキャンプinYABE

管内小・中学校の特殊学級の子どもたち57名。
そして担任等合計104人が集まっての
宿泊学習に参加する。
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夕食の時間からの参加となり、
左の席には、本校の女児、
晴海さん、5年生。
そして、右の席には、
前任校の女児、弥生さん、3年生。

子どもと話をする楽しい時間となった。
班のなまえは、「トラ」班。
班長さんは、中学2年生。
晴海さんとの会話が進む。
「先生、今日どこに泊まるの?」
「明日は、何時に帰るの?学校にいくの?」
一つ一つに丁寧に答える。
時間がゆっくり流れる会話である。
とても温かい、豊かな会話となる。
子どもの実態に会わせて教育計画を立てるのであるが、
どうしても、子どもを時間に合わせてしまう。

その点で、特殊学級の時間割は一人一人の個性に合わせての
教育計画であり、時間を有効に使うことができる。

右隣の弥生さんは、筋ジスの子どもである。
この子の就学に当たって、ずいぶん両親と話をした。
そして、いくつかの養護学校の訪問もしてきた。

当時幼稚園の園長も兼ねていたので、
いつも弥生さんの様子を見ることができていた。
寒い日が続くと、風邪をひかないかと心配する。
風邪は、すぐ肺炎を引き起し、入院となる。
自分で便所に行けない、おむつを使わなければならない。
車いすでの生活である。
実際、小学校の学校施設で弥生さんの就学に自信がなかった。
施設、そして担任の対応、その事を考えると、無理との判断をせざるを得ない
状況であった。

しかし、両親、ことにお母さんの
「弥生」が、確かにこの世に生を受けた証をもたせたい。
いつまで命を永らえるかわからないこの子である。
小学校の友達との生活の中で生きる喜びを味わわせたい。
そのために、この幼稚園に入園させました、と。

もう3年以上も前のことであるが、涙を流し、
うまく言葉を出せない我が子に代わって
必死に訴えておられて姿を忘れることができない。
今考えると、私には、弥生さんの姿から、マイナスの部分のみを
見ていたのかもしれない。
歩くことができない、うまく話せない、
うまく食べることができない等々である。
しかし幼稚園の生活は弥生さんにとって、楽しいものであった。
太鼓を学習に取り入れていたが、最初は、その音を恐がり、耳栓をしていた。
それが、いろんな発表では、小さな太鼓を持ち参加することができた。

子どもの無限の可能性を改めて弥生さんから教えられてきた。
担任の「先生覚えている?」「うん」
「お母さん元気にしてますか?」「はい」
と頷く姿に、喜びを感じたところである。
今電動車椅子を申請しているとのこと。
「この使用には、試験があるんですよ」、と担任の話である。
弥生さん、がんばれ。

次の日、朝から少し時間があったので、通潤橋に行く。
朝日に映える通潤橋。やはり、石橋の代表であると実感する。
橋と言っても人馬を渡す橋ではなく、水路橋である。
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朝食後、各班毎に追跡ハイキング。
それぞれの子どもの実態が異なるので、
ゆっくりとしたハイキングとなる。
山荘から少し行くと、これも旧矢部町を代表する
五老ヶ滝。
子どもたちの驚嘆の声が出る。
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しかし、子どもたちの一番の興味を引いたのは、
シャボン玉であった。追跡ハイキングで、
「シャボン玉をする」とあったのだが、全ての子が
これをやりたがった。
 
でもわかる、私だってシャボン玉とばしたいのだから。
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棚田の間を三々五々に子どもたちは歩く。
黄金色の稲穂の間を縫うように歩く様子は、
今も昔も代わらぬ遠足の風景である。

しばらく歩くと、通潤橋が姿を現す。
放水があっている。放水するには5000円かかるという。
みんなで楽しむ。橋上には、小学生の姿が見える。
この通潤橋は、3・4年生の社会科の学習教材である。
そのため、この季節になると、あちこちの小学校からの
見学がある。
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今から矢部郷も本格的に錦秋になっていく。
by shin0710s | 2005-10-07 20:02 | Trackback

ダックス4匹の愛犬と猫1匹の動物たち。周囲約7kmの世界で見聞したことを日記風に書いています。


by shin0710s