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白秋の黄昏

御門徒のおばあちゃん。

時折激しい雨。
本町に大雨警報が出ている。
台風18号の影響だとか。
秋雨前線が活発になっているらしい。

雨の降る日は?
戸外に出ずに読書をする。
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晴耕雨読というけれど、夏の間は外で汗を流すことは
体に悪い。
晴れた日に田んぼを耕すのは、季候のよい秋か春に限る。
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10月が近いが、晴天の日は30度を超える。
雨の日は体力的に無理無理。

午前中は、一周忌法要でお参りに行く。
昨年ご主人を亡くされ、一人で暮らしておられる。
4月の熊本地震でしばらくは北九州の長男のところで
暮らしておられた。
でもやっぱりご主人と過ごした家がいいと熊本に帰り一人暮らしをされている。
御年89歳。
お婆ちゃんと話をするのが楽しい。

最近読んだ本には、それぞれにり凜とした気品のあるお婆ちゃんだ出てくる。
「阪急電車」は、有川浩の作品。この小説の芯となる「萩原時江」おばあちゃん。
映画では、宮本信子が演じている。
息子夫婦とはちょっと距離ができている一人暮らしの老婦人。
確かな年齢を重ねてきた女性の美意識と価値観をもち、背筋を伸ばして生きている姿がいい。

「西の魔女が死んだ」は梨木香歩の作品である。黒に近い褐色の大きな瞳。
今はもう半分以上白くなり、うしろで無造作にひっつめられた褐色の髪。
骨格のしっかりした大柄な身体。
そのおばあちゃんの言葉
「魔女になるために必要なのは、物事の正しい方向をキャッチするアンテナと
何事も自分で決める力です」

イギリスから日本に嫁いできたまいのおばあちゃんの言葉である。
幾多の困難を乗り越えてきたおばあちゃんは、まい対する
暖かくそして生きていくことのすばらしさを伝えている。

そして本日読み終えたのが同じく梨木香歩の「りかさん」。
この作品のある感想として次の文に出会った。
「この人の本を初めて読んだのは高校生の時。それから好きになって
何冊か読んだけど、この人の書きたいものは家族の系譜『母から娘に伝えられ、
受け継がれるもの』だというのがこれまで読んできた本から読み取った、今の私の見解です。
自分を見失いそうになった主人公が自分の中に脈々と受け継がれてきた確かなものを発見し、
自覚することで自己を確認し、成長していくというモチーフがほとんどです。」
確かに若い時代ならばそうであろうと思う。
今から人生を生きていく若い人にとっては主人公の姿を己自身と重ねるだろう。 
私の年齢になるとやはり主人公のおばあちゃんである麻子さんの姿に惹かれる。
過ぎ去りし日々を思い出しながら、子や孫に何をどう伝えていくのか、
それでいて迷惑を掛けないように生きていきたいと思う私である。

今日は、お参りの後に、おばあちゃんと味わい深い時間となった。
「朝、家の前を掃除しているとですね、小学生が『おはようございます』、
とあいさつしてくれるんですよ。私もうれしいので、私の方からも『おはようございます』というんです。
そして『行ってらっしゃい』と。でも大人はそういう会話が成り立たんですよ。
顔を見ないように、合わせないようにしながらさっさと歩いて行かれるんです。
ちょっと、寂しいですね。」

そういう大人になってはいないか、と。
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by shin0710s | 2016-09-29 19:53 | 読書 | Trackback

ビーグル1匹、ダックス5匹の愛犬と猫2匹の動物たち。周囲約7kmの世界で見聞したことを日記風に書いています。