8月15日。

8月15日。終戦記念日である。
本日の朝日新聞に「林尹夫」の名前が出ていた。


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学生時代、もう半世紀ほど昔のことである。
真継伸彦の「青春の遺書」の中で彼の名前が出ている。
「林尹夫」「高野悦子」「浮谷東次郎」「福本まり子」そして「有田倶子」


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昭和48年発行の本である。
その中で
戦時下の青春と現代の青春〈林尹夫〉
として記されている。この本を書きたいと思ったのは
「昨年2月に起きた連合赤軍の「浅間山荘」事件、直後に暴露された彼らの恐るべき死刑、続いて5月末に起きたテルアビブ空港の乱射事件などが代表であるが、これらの衝撃的な事件が起こるたびに、青年たちの行動のわからなさが、繰り返し問題になった…思い出すたびに慄然とするこのわからなさに、一筋の照明を当てようとしたのである。」
とこの本の趣旨を述べている。
この本に導かれて四人のことを述べた本を読むことになった。

今日の朝日新聞には、

京都大生から学徒出陣で海軍航空隊員となり、戦死した林尹夫(ただお)さん(享年23)の
遺稿集「わがいのち月明(げつめい)に燃ゆ」。
この一節をはじめ、最期の叫びを集めた「やすくにの遺書」という冊子が今春、
靖国神社や在外公館などで配られ始めた。英訳もついている。
「靖国神社に祀(まつ)られているのは、赤紙一枚でひどい戦争に参加させられた人がほとんど。
本当の姿を読み取ってほしい」。まとめたのは言論誌「月刊日本」の南丘喜八郎さん(71)。

との記事が出ている。
1972年発行の「わがいのち月明に燃ゆ」を改めて読んでいる。
当時の私には同じ年代でありながらも難解な表現に戸惑っていたことを思い出す。


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前半は、戦争という特殊な状況の中で文学に没頭し、人生感、死生観、
人付き合いといったことに悩む面が強調されている。
後半は、実際に軍人となって、日本の敗戦を予感しながら、自分のあり方を問いつつ
苦悶苦闘している姿が行間から読み取れる。

終戦記念日の今日、「林尹夫」の提起する問題にどう答えていくのか。
少なくとも古稀を迎える私たち団塊の世代は何らかの答えを示さなければならないように思う。







by shin0710s | 2017-08-15 17:23 | 読書 | Trackback

ダックス4匹の愛犬と猫1匹の動物たち。周囲約7kmの世界で見聞したことを日記風に書いています。


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