いつのことだか思い出してごらん・・・卒園式

校庭の桜が3分咲。桜の周りが華やかになる。
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青白くすき取った桜の花びらの妖しさに
思わず吸い込まれそうになる。
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これが満開にもなると何とも狂おしく気分が高揚してくる。
桜の花は蕾の時から気をそぞろにさせ、桜前線の登場と共に、
そぞろ気を浮かせていく。

しかし、学校の校庭にある桜となると
何となく懐かしさを醸し出す。
それぞれが古い記憶の片隅に、桜と卒業式、
桜と入学式を重ね合わせるようである。

9時30分、卒園児入場。
21名の園児が、儀式用の服を着て入場してくる。
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今日は、隣の保育園の卒園式。学校を代表して出席する。
本校には、20名が入学してくる。
本校にとって保育園は隣にあると言うだけでなく、
本校の教育活動に直接つながっている。

仏式の卒園式であり、恩徳讃、お念仏等がはいり、
私にとっては、温かな安らぎのある式である。
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園長先生から保育証書をもらう園児がとても落ち着いている。
証書を両親の元に運ぶ顔は誇らしげである。
6年4ヶ月から1年までそれぞれの在園期間は異なるけど、
保護者にとっては、我が子の成長の姿を見ることの出来る
数少ない時間である。
喜びの涙でくしゃくしゃのお母さん方の姿が
遠い昔の我が子の姿とオーバーラップする。

隣の来賓は福祉課の方。実は、三女の幼稚園の担任であった。
「三女は22歳になるんですよ」「私たちが年取ったはずですね」
と言葉を交わす。

卒園式の定番であるが、「思い出のアルバム」を
卒園児と在園児が歌う。
「いつのことだか思い出してごらん、あんなことこんなこと
あったでしょう・・・」
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大きく口を開けて歌う姿がとてもいい。
そして、一人ずつお別れの言葉を両親に向かって発する。
力強く、明るい光が感じられる。

卒園のレジメにあった言葉である。

子らよ がんばりのきく人になっておくれ
子らよ 思いやりのある人になっておくれ
子らよ 手を合わす人になっておくれ

小さなともしびでもいい しゃかいをてらす人になって
ふしあわせな人たちの 友となっておくれ
華やかな 人の上に立つような人にならなくてもいい
それよりも 迷い困っている人の
心の友達になってあげなさい


私の両親もそう思って育ててきたはずである。
頑張りのきく人になったろうか?
思いやりのある人になったろうか?
手を合わせる人になったろうか?

何よりも手を合わせる人になることが、両親の願いであり
私の願いであった。まだ遅くない、今からでもいい。頑張りがきき
思いやりがあり、手を合わせる人になろう。

そして私につながる子ども達にこのことを伝えていこう。
胸を張って式場から旅立っていく卒園児の姿に
その責任の重さをひしひしと感じた卒園式であった。

夕暮れの散歩。サクラとコウメ。
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逆行で顔が見えない、しかし柔らかな毛がキラキラ輝く。
by shin0710s | 2006-03-27 19:41 | Trackback

ダックス4匹の愛犬と猫1匹の動物たち。周囲約7kmの世界で見聞したことを日記風に書いています。


by shin0710s