手袋を買いに、を読む

久しぶりにふと思いついて
「手袋を買いに」(新美南吉)を読む。
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 寒い冬が北方から、狐きつねの親子の棲すんでいる森へもやって来ました。
 或朝あるあさ洞穴ほらあなから子供の狐が出ようとしましたが、
「あっ」と叫んで眼めを抑おさえながら母さん狐のところへころげて来ました。
「母ちゃん、眼に何か刺さった、ぬいて頂戴ちょうだい早く早く」と言いました。

の書き出しで始まる。小学3年生の国語の教科書に出てくる。
何度も授業をしている。
そしてこの物語の提起する主題について考えあぐねてきた。

この物語のあらすじは、
手袋を買いに、を読む_e0056537_18172599.jpg

雪の朝、表を走り回って帰ってきた子狐の冷え切った手を握りながら、
母さん狐は手袋を買ってやろうと思いついた。夜になって町に出かける途中で、
母さん狐は子狐の片手を握って人間の子供の手に変えた。
そして子狐に、町の帽子屋へ行って戸を少しだけ開けたら、人間の方の手を出して
「手袋をください」と言うように、と教えた。
間違って狐の手を出してしまうとひどい目に遭うからと。
子狐は町に着くと帽子屋を見つけ戸を叩いた。
帽子屋が戸を開けた拍子に差し込んだ光がまぶしくて、
子狐はつい狐の方の手を出して、「手袋をください」と言ってしまった。
帽子屋は、狐だなと思ったけれども出されたお金が本物であることを確認すると
黙って手袋を渡してやった。帰り道、家の中から聞こえる子守歌を聴きながら帰った
子狐は母さん狐に「人間ってちっとも恐かない」と、間違った手を出したけれど
帽子屋は手袋を売ってくれたことを話した。母さん狐はあきれながら、
「ほんとうに人間はいいものかしら」とつぶやく。


とのことばで物語は終わる。
最後の文は、

「ほんとうに人間はいいものかしら。
ほんとうに人間はいいものかしら」とつぶやきました。


である。というのも賀状に続いて頂いた先生のはがきに私自身が
問われ答えを出せないままこの童話に向かっている。

「一瞬にしてすべてを失ったこと、家族、たくさんの子どもたち、保護者の方々、
これまで出会ってきた教職の仲間を裏切った事による、
自責の念と罪悪感、申し訳なっさで、もう胸がいっぱいで、
自分は「人」として生きている価値さえない人間なんだ…と思い、
ずっと「死にたい」、「自分さえ生きていなければ…」
これまでその思いを毎日毎日背負って生きてきました…

過去は、変えることは出来ないが、見直すことは出来る、と先師が語ってくれたことを思う。
なぜ見直すことが出来るのか?彼は、その道を「禅」に求めている。

彼の姿を思い浮かべながら、
「本当に私は、いいものかしら」、と言い換え自分の歩んできた
そして、歩んでいる姿を振り返っている。
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by shin0710s | 2012-01-19 18:30 | ことば | Trackback(3)

ダックス4匹の愛犬と猫1匹の動物たち。周囲約7kmの世界で見聞したことを日記風に書いています。


by shin0710s