2013年 08月 26日
しゅうかつ。
現代の風潮かもしれないが何でも略する傾向がある。
「あけおめ」しかり。「婚活」もそうである。
学校現場でも「けんぱつ」の言葉を最近は聞き始めている。
「研究発表会」のことである。
耳で聞き取るだけでは何のことかさっぱりわからない。
「しゅうかつ」と聞いたとき
「就職活動」のことか。と頭をよぎる。
それならばリクルートルックと平行して記憶している。
ところがこの場合の「しゅうかつ」とは「終活」のことである。
新聞記事によると
残りの人生をよりよく生きるため、葬儀や墓、遺言や遺産相続などを元気なうちに考えて準備する。3年前に週刊誌が使った造語。映画「エンディングノート」で一躍話題に。総務省や厚生労働省の調査によると、今年4月現在、65歳以上の人口は3千万人を超え、日本の総人口の23.7%。その半数以上が高齢者だけで暮らしている。「終活の第一人者」と呼ばれる家族葬専門葬儀社(奈良県)の寺尾俊一社長は「孤立死は年間3万人を超え、縁が希薄になった今の社会だからこそ、はやるのだと思う」と話す。
( 2012-10-21 朝日新聞 朝刊 横浜 1地方 )
残りの人生をよりよく生きるため…に終活の言葉が生まれてきている。
その背景がこの記事のように孤立死にあるというのは寂しいことである。
「無量寿経」なかにこのような一節がある。
「人在世間 愛欲之中 独生独死 独去独来・・・。」
「身自当之 無有代者。」
人、世間愛欲のなかにありて、独り生まれ独り死し、独り去り独り来る・・・。
そして、身みずからこれを当くるに 代わるものあることなし。
終活というならばこの言葉の重みもまた受け止めなければならない。
ならば、残りの人生をどう生きるか、よりも今をどう生きるか、なのであろう。