お母さんがんばれ

町は、すっかりクリスマス。
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しかし日々の生活は、そんなにぎやかなものではなく、
しっとりした生活そのものである。
2年生の子どもの日記である。
子どもの作文を読むとその情景が浮かんでくる。
家庭での生活がにじみ出てくる。

私がおふろにはいって出てきたとき、手作りのギョウザが
ずらーっとならんでいたから
「うわーい。」
と心の中で言いました。
ギョウザの皮は、買ってきてありました。
つつんでいるときは、しんけんな顔をしていたから
「しんけんだなあ。」
と思いました。
しんけんだから口をチャックしたみたいに、だまっていました。
「口、チャックしている。」
と言いました。
最後になるまで口をチャックしていました。
「ずーっと、だまっているな」
と思いました。最後の一こができたとき、お母さんは、
「できた。」
と言いました。わたしも、
「できた、できた。」
と小さな声で言いました。
とってもしんけんそうな顔でした。


真剣な顔、ってどんな顔だろう。日頃見ることのできない
声をかけにくい顔であろうか?
滅多にない顔?
しかしこの作文を読むと、
お母さんがいかに張り切ってつくっているかが伝わってくる。
息をつめて、形を整える。そして形良く並べていく。
ずらーっと並んだギョウザの列。
手作りをしたという満足感を得ようとしている母親
の姿が浮かんでくる。滅多につくることができないか、
はじめてチャレンジしたか。
でも子どもはちゃんとそこを感じ取って、
「口、チャックしている」
という。緊張を共有している。
母親と同じように気持ちの上で自分も一緒につくっているのであろう。
息を吐き出すように
「できた」
と言った母。こどもはまだ緊張がぬけないので、
小さな声で「できた、できた」
とささやいている。
何かとっても暖かいものが流れている。
お母さんがんばれ、がんばれという
2年生の子の声が聞こえてきそうである。
by shin0710s | 2005-12-12 22:51 | Trackback

ダックス4匹の愛犬と猫1匹の動物たち。周囲約7kmの世界で見聞したことを日記風に書いています。


by shin0710s