2014年 04月 27日
牡丹。
牡丹が植えてあった。
父がその牡丹を大事にしていたことを思い出す。
「このような大きな牡丹はちょったないぞ」と。
それがいつの間にか無くなっていた。
枯れてしまったのだろうか。
牡丹といえば楊貴妃であろうけれども、
私にとって牡丹といえば父の思い出と重なる。
牡丹の絢爛たる花を見るたび
鼻をピクピクさせてうれしそうに境内の牡丹を眺めていた父を。
ところで牡丹がなぜ楊貴妃?
庭前芍薬妖無格
池上芙蕖浄少情
唯有牡丹真国色
花開時節動京城
庭前の芍薬(しゃくやく)、妖(よう)として格無く、池上(ちじょう)の芙蕖(ふきょ)、浄(きよ)くして情少なし。唯(ただ)牡丹(ぼたん)のみ、真の国色(こくしょく)有り。花開く時節、京城(けいじょう)を動かす。
詩に云う。庭に咲く芍薬の花は、妖艶すぎて品格がなく、池に咲く蓮の花は、清らかすぎて色気に欠ける。ただ牡丹のみは、まことに天下一の美女ともいうべき美しさだ。その花が咲く時節には、長安の都じゅうが大騒ぎになるのだから。
という漢詩があるらしい。
さて、御寺泉涌寺に楊貴妃観音堂がある。
そこに牡丹の花があったような気がするが…