清涼山壽專寺について

本町には、浄土真宗の寺院が、12ヵ寺ある。
その創立は、寺請制度が確立した1630年から60年ごろであろう。
そのうち1ヵ寺が大谷派で、11か寺が本願寺派である。
これらの寺院は、明治十年の西南の役で2ヵ寺を除いて焼失し再建されている。
その2ヵ寺のうちの一つが下横田の壽專寺である。
浄土真宗本願寺派のお寺である。
本堂の寄棟づくりは、珍しく、郡内を見ても多いほうではない。
現在町内に一寺である。



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記録によると、
寛永2年(1625)開基了西創立傳に云其先菊池二十代為邦の弟為安の後裔信隆の弟
重隆菊池落城の後阿蘇郡内牧山田村に住し展生四年同村亀甲山福田寺に於いて
薙髪(ちはつ)して法名を良妻と改め寛永二年当地に一宇を創建し壽專寺と号し勝明寺の末寺に属す。
明治十三年四月本山直末に編入す。(上益城郡誌大正十年発行)

また本堂は、熊本城を建築した大工が建てたと伝えられており、
質素な丸太材の屋根組は力強く、幾多の災害を乗り越えてきている。



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本堂内の欄間等の装飾は素晴らしい。





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建築当時を想像すると本堂に坐する老若男女の念仏の声が聞こえてきそうである。
ただ、長い年月の中で色が褪せたり、彫刻が剥落したりしているのが惜しい。
本町内では、一番古い木造の建物であると思われる。





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住職によると本尊は、行基の作とつたえられているそうである。





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小西行長の戦火にも、西南の役の戦災にもあわずまた先の熊本地震においても
少しの被害で済み、現在に至っている。
本町の貴重な文化財でもある。

by shin0710s | 2019-09-04 16:50 | | Trackback

ダックス4匹の愛犬と猫1匹の動物たち。周囲約7kmの世界で見聞したことを日記風に書いています。


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