十匹も焼いていた夕餉の秋刀魚・・・

雨が続いている。
境内の紅白の山茶花が雨にうたれ
わびしさと温かさを醸し出す。

お通夜、葬儀、そして本日のお寺へのお礼参りとなる。
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御門徒の葬儀が昨日。
そして本日はご遺族がお寺にお参りされる。
故人の奥様、そして息子さん達、さらにはお孫さん
が十数人お参りされた。
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11時過ぎからお勤め。
本堂でお参りをする。
前任校で小学校3年生だった「みなみちゃん」も
今は高校2年生。
お祖母ちゃん、両親と一緒にお参り。
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三奉請 そして 表白。
阿弥陀経をあげる。
「仏説阿弥陀経 如是我聞 一時佛 在舎衛国 祇樹給弧独園 
与大比丘衆 千二百五十人・・・」

そして和讃
「十方微塵世界の
 念仏の衆生をみそんわし
 摂取してすてざれば
 阿弥陀となづけたてまつる」


お経の途中で参拝者の焼香。
お経は続く。
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「願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」

で終わりとなる「願わくは、この功徳をもって、平等に一切に施して、
 同じく菩提心を発(おこ)して 安楽国に往生せん」
との意味である。

そして法話。
昨日のお葬式の折、控えの間で見た「金婚式の表彰状」
を思い起こす。
五十年以上を共に添い遂げてこられてのご主人の逝去である。
「十匹も焼いていた夕餉の秋刀魚
 たった二匹になりましたね、お父さん
 一匹にしないでね」

の一筆啓上賞の短い手紙をもとにお話をする。
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その後庫裏でお斎。
八年前には、私の父の葬儀に参列していただいている。
PTAの役員として学校のことをずいぶん御骨折りをいただいた。
そんなことを含めながら人の出会いと別れについて語り合う。
お酒が入る。
しっとりとしたそれでいて、温かい食事の時間である。
母と近くの人とで昨日から作った精進料理。
遺族そして近親者の温かい雰囲気の中で時間が過ぎていく。

こうして、お通夜、葬儀そしてお礼参りと続く儀式が終わる。
少しずつ変わってきたお葬式の流れであるが、御門徒の方々と
お寺とのつながりは、変わらないままである。
お寺は、「坊守でもっている」といわれるが、母を見ているとそう思う。
御門徒の方との話に、その係累がすべて頭の中にあり、
過去と現在をつなぎ、将来の生き方を述べている姿は尊いものである。
大正14年11月3日生まれ。
81歳。元気そのものである。
喋り出したら止まらないけど。

サクラの散歩。
雨、そして外はまっ暗。
晴れの休日が待ち遠しい。
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by shin0710s | 2006-12-14 18:40 | 真宗 | Trackback

ダックス4匹の愛犬と猫1匹の動物たち。周囲約7kmの世界で見聞したことを日記風に書いています。


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