2006年 12月 14日
十匹も焼いていた夕餉の秋刀魚・・・
境内の紅白の山茶花が雨にうたれ
わびしさと温かさを醸し出す。
お通夜、葬儀、そして本日のお寺へのお礼参りとなる。
御門徒の葬儀が昨日。
そして本日はご遺族がお寺にお参りされる。
故人の奥様、そして息子さん達、さらにはお孫さん
が十数人お参りされた。
11時過ぎからお勤め。
本堂でお参りをする。
前任校で小学校3年生だった「みなみちゃん」も
今は高校2年生。
お祖母ちゃん、両親と一緒にお参り。
三奉請 そして 表白。
阿弥陀経をあげる。
「仏説阿弥陀経 如是我聞 一時佛 在舎衛国 祇樹給弧独園
与大比丘衆 千二百五十人・・・」
そして和讃
「十方微塵世界の
念仏の衆生をみそんわし
摂取してすてざれば
阿弥陀となづけたてまつる」
お経の途中で参拝者の焼香。
お経は続く。
「願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」
で終わりとなる「願わくは、この功徳をもって、平等に一切に施して、
同じく菩提心を発(おこ)して 安楽国に往生せん」
との意味である。
そして法話。
昨日のお葬式の折、控えの間で見た「金婚式の表彰状」
を思い起こす。
五十年以上を共に添い遂げてこられてのご主人の逝去である。
「十匹も焼いていた夕餉の秋刀魚
たった二匹になりましたね、お父さん
一匹にしないでね」
の一筆啓上賞の短い手紙をもとにお話をする。
その後庫裏でお斎。
八年前には、私の父の葬儀に参列していただいている。
PTAの役員として学校のことをずいぶん御骨折りをいただいた。
そんなことを含めながら人の出会いと別れについて語り合う。
お酒が入る。
しっとりとしたそれでいて、温かい食事の時間である。
母と近くの人とで昨日から作った精進料理。
遺族そして近親者の温かい雰囲気の中で時間が過ぎていく。
こうして、お通夜、葬儀そしてお礼参りと続く儀式が終わる。
少しずつ変わってきたお葬式の流れであるが、御門徒の方々と
お寺とのつながりは、変わらないままである。
お寺は、「坊守でもっている」といわれるが、母を見ているとそう思う。
御門徒の方との話に、その係累がすべて頭の中にあり、
過去と現在をつなぎ、将来の生き方を述べている姿は尊いものである。
大正14年11月3日生まれ。
81歳。元気そのものである。
喋り出したら止まらないけど。
サクラの散歩。
雨、そして外はまっ暗。
晴れの休日が待ち遠しい。