遠い昔の頃。

土用丑の日とは関係なく、無性にウナギが食べたくなる。
ウナギといえばやはり蒲焼きである。
こんがり焼けた背びれにタレが浮き上がったような
ふくよかな肉質。
そしてご飯にしみこんだ蒲焼きの肉汁。
魚の中で何が一番かといえばウナギの蒲焼きである。

鯛も鯉も鮎もヤマメもウナギにはかなわない。
柳川に行ったときウナギのせいろ蒸しを食べた。
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これがおいしかった。
確か吉松屋であった。
待つこと1時間あまり。
空腹に勝る美食なし、ではないが
蒲焼きこそ一番と思っていたが、
せいろ蒸しのおいしさには負けてしまった。
それ以来、ウナギはせいろ蒸しとなっている。
一度「櫃まぶし」にチャレンジしたが、わたしとしては
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せいろ蒸しに軍配をあげる。

このウナギといえば、小学生の頃を思い出す。
ウナギは小学生にとって現金を得ることができる
貴重なアルバイト?であった。

町を流れる緑川にウナギを捕りに出かけるのである。
使われるのは、「うなぎてぼ」。
1mあまりの竹の筒でウナギの寝床みたいなものである。
そして、その中にミミズをえさとして入れておく。
さらに藻をいれて。
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これを夕方川に仕掛けるのである。
次の日の早朝その「うなぎてぼ」を回収にいくと
その中にウナギが入っているというのである。

そのウナギは、町の割烹屋に持って行くとなにがしかの
お金で買い上げてくれる。
親から小遣いなど祭りのときしかもらえない子どもたちにとって
大事な現金収入だったのである。
ただ、早朝にいったらうなぎてぼが盗まれたなど
起こっていたらしい。
「うなぎてぼをすける」場所は、おおよそ見当がつくものである。
50年近く前のことである。

それも、わたしの父が、ウナギを捕るなど絶対許してくれなかった
ことだけに懐かしさと少々の悔しさで思い出す。

どんなことを記憶しながら成長していくのだろう。
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by shin0710s | 2008-10-24 22:28 | Trackback

ダックス4匹の愛犬と猫1匹の動物たち。周囲約7kmの世界で見聞したことを日記風に書いています。


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