新甲佐町史に「釈迦堂祭り」が記載されている。
「鹿里ムラでは2月15日に釈迦堂祭りを行う。釈迦堂にお釈迦さんが祭られている。
この釈迦堂は「国郡一統誌」に記載があり、江戸時代以前から信仰されていたらしい。
当時鹿里ムラは山の幸に恵まれ豊かであったと想像される。しかし諸々の社会事情の変化によって、立地条件が厳しくなり
ムラから人々が引っ越して行き平成23年度から区長のいない区となった。」
そこで文化財保護委員会で鹿里を訪れることになった。
鹿里は、山中にありずいぶん車でのぼり、そのあとは徒歩で進むしかない。
徒歩で30分余り。村はずれに着く。
大きな「ケンボナシ」(?)が迎えてくれる。
道の下には廃屋があり、痛々しい。
住む人のいなくなったムラである。
ムラの道を進む。
すっかり倒れてしまった家屋。
紫陽花が咲き始めている。
紫陽花をめでる人もいない。
少し前まで人の住んでいた気配が感じられる家屋もある、
道の少し上に墓地がある。
地震で倒れ、そのままになっている。
墓地の上に猿田彦大神さんがある。
建立年度不明である。
その横には板碑であろうか、文字が摩耗していて判読できない。
その上に今回の調査目的である釈迦堂がある。
お堂は、地震にも耐え、お釈迦様を守っている。
そのお姿に思わず合掌。
いつの時代の仏像かは今後の調査を待たなければならない。
またこの保存方法も考える必要がある。